○塩釜地区消防事務組合火災調査規程
平成25年3月19日
庁訓第3号
目次
第1章 総則(第1条~第2条)
第2章 調査業務体制
第1節 調査の原則(第3条~第9条)
第2節 調査体制(第10条~第13条)
第3章 調査業務処理の基本
第1節 調査実施上の通則(第14条~第18条)
第2節 基本事項の処理(第19条~第29条)
第4章 調査業務の執行
第1節 火災出動時の調査(第30条・第31条)
第2節 鎮火後の調査(第32条~第38条)
第3節 立証のための調査(第39条~第44条)
第5章 調査結果の記録等
第1節 調査書類の作成(第45条~第54条)
第2節 照会等の対応(第55条)
第6章 非常災害時の火災調査
第1節 非常災害時の火災調査体制(第56条~第62条)
第2節 調査結果の報告及び活用(第63条~第68条)
第7章 委任(第69条)
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)の執行について必要な事項を定めるものとする。
(1) 火災 人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。
(2) 爆発現象 化学的変化による爆発の一つの形態であり、急速に進行する化学反応によって多量のガスと熱を発生し、爆鳴、火炎及び破壊作用を伴う現象をいう。
(3) 調査 火災現場から火災予防を主とする消防行政施策の資料を収集し、活用するための質問、現場見分、鑑識、鑑定、実験及び照会等の一連の行動をいう。
(4) 鑑識 火災の原因及び損害の調査のため、専門的な知識、技術、経験及び機器を活用し、総合的な見地から具体的な事実関係を明らかにすることをいう。
(5) 鑑定 火災に係る物件の形状、構造、材質、成分、性質及びこれに関連する現象について、科学技術的手法により必要な試験又は実験を行い、その結果をもとに火災原因の判定のための資料を得ることをいう。
(6) 調査員 調査に従事する消防職員をいう。
(7) 主任調査員 第12条第1項の規定により消防署長(以下「署長」という。)が指定した者をいう。
(8) 調査担当員 第12条第1項の規定により署長が指定した者をいう。
(9) 関係者等 法第2条第4項に定める関係者及び火災の発見者、通報者、初期消火者その他調査の参考となる情報を提供しうる者をいう。
(10) 建物 土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設けた事務所、店舗、興業場、倉庫その他これらに類する施設をいい、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。
(11) 収容物 柱、壁等の区画の中心線で囲まれた部分に収容されている物のほか、バルコニー、ベランダ等に置かれた物で建物内に収容されている他のものと一体化しているものをいう。
(12) 車両 原動機を用いて陸上を移動することを目的として製作された用具であって自動車、汽車、電車及び原動機付自転車をいう。
(13) 被けん引車 車両によってけん引される目的で造られた車又は車両によってけん引されているリヤカー、荷車及びその他の軽車両をいう。
(14) 船舶 独行機能を有する帆船、汽船及び端舟並びに独行機能を有しない住居船、倉庫船及びはしけ等をいう。
(15) 航空機 航空法(昭和27年法律第231号)第2条第1項に定めるものをいい、人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船等の機器をいう。
(16) 森林 森林法(昭和26年法律第249号)第2条第1項に定めるものをいい、木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹と、これらの土地以外で木竹の集団的な生育に供される土地をいい、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。
(17) 原野 雑草、灌木類が自然に生育している土地で人が利用しないものをいう。
(18) 牧野 主として家畜の放牧又は家畜の飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地(耕地の目的に供される土地を除く。)をいう。
(19) 用途 建物、車両、船舶及び航空機等が占有され、又は使用されている目的をいう。
(20) 業態 原則として、事業所において業として行われている事業の態様をいい、教育、宗教、公務及び非営利団体等の諸活動を含むものとする。
(21) 製造物 製造物責任法(平成6年法律第85号。以下「責任法」という。)第2条第1項に定める製造又は加工された動産をいう。
(22) 製造物の欠陥 責任法第2条第2項に定める欠陥をいう。
(23) 認定者等 予防技術資格認定者及び火災調査の分野種別において精通している者をいう。
(24) 統計調査系システム 調査結果から得られた情報を電子計算機等により処理し、かつ、効果的に活用するためのシステムをいう。
第2章 調査業務体制
第1節 調査の原則
(調査の基本)
第3条 調査は物的証拠を主体とし、関係者等の供述に基づいて検討を加え、科学的方法による合理的な事実の解明を図らなければならない。
(調査の区分及び範囲)
第4条 調査の区分は、火災原因調査及び火災損害調査とし、その範囲は、次の各号に掲げるところによる。
(1) 火災原因調査
ア 出火原因 火災の発生経過及び出火箇所
イ 発見、通報及び初期消火状況 発見の動機、通報及び初期消火の一連の行動経過
ウ 延焼状況 建物火災の延焼経路及び延焼拡大要因等
エ 避難状況 避難経路及び避難上の支障要因等
オ 消防用設備等及び特殊消防用設備等の状況 消火設備、警報設備及び避難設備並びに特殊消防用設備等の使用及び作動等の状況
(2) 火災損害調査
ア 人的被害の状況 火災による死傷者、り災世帯及びり災人員等の人的な被害の状況並びにその発生状況
イ 物的損害の状況 火災による焼き、消火又は爆発等による物的な損害の状況
ウ 損害額の評価等 火災により受けた物的な損害の評価及び火災保険等の状況
(調査責任)
第5条 署長は、管轄区域内で発生した火災の調査責任を有する。
2 運行中の車両及び航行中の船舶の火災は、主として消火活動を行った場所を管轄する署長が調査を行い、航空機の火災は、墜落場所又は着陸場所を管轄する署長が調査を行うものとする。
3 署長は、火災の覚知とともに調査を開始しなければならない。
(調査結果の管理)
第6条 署長は、調査のために立入って見分し、又は質問により得られた情報並びに調査結果から作成された文書等の適切な管理に努めなければならない。
(調査結果の活用等)
第7条 署長は、調査結果を管内の情勢に合わせて分析及び検討して、火災の実態を明らかにするとともに、消防行政に反映できる資料を整備し、活用できるように努めなければならない。
(類似火災への対応)
第8条 署長は、調査結果から製造物の欠陥による類似火災の発生が予測されるなど必要と認めるときは、当該火災に係る資料の収集に努め、類似火災の防止に係る対応を図るものとする。
(調査協力)
第9条 消防長は、署長が行う調査に関する業務(以下「調査業務」という。)について協力するものとする。
第2節 調査体制
(技術の向上)
第10条 消防長は、機材の整備を図り、火災原因究明の技術を向上するよう努めるものとする。
(調査態勢の確立と実務指導要請)
第11条 署長は、調査態勢に万全を期すとともに、調査員に対し調査に係る知識及び技術を教養し、調査能力の向上に努めなければならない。
2 署長は、調査員の調査技術の向上を図るため、別に定めるところにより実務指導を消防長に要請することができる。
(主任調査員等の指定)
第12条 署長は、原則として、火災調査現場において所属職員のうちから主任調査員及び調査担当員を指定するものとする。
2 署長は、前項の規定により主任調査員を指定するときは、消防司令補以上の階級の者を指定するものとする。ただし、火災調査現場の状況に応じ必要と認めるときは、この限りでない。
(詳細調査の技術協力)
第13条 署長は、特異な火災の焼損物件等について、外部の機関へ調査、分析又は研究等を依頼することができる。
第3章 調査業務処理の基本
第1節 調査実施上の通則
(主任調査員等の責務)
第14条 主任調査員は、調査業務を適正に推進するため、他の調査担当員に対し積極的に指導又は助言を行わなければならない。
2 認定者等は、第1条に規定する事務を推進するにあたり、積極的に問題点の把握とその解決に努めるとともに、職員に対し調査技術の指導又は助言を行い、事務の効果的な推進に努めるものとする。
3 調査員は、調査上必要な知識及び技術の修得に努めなければならない。
4 調査担当員は、調査の経過その他参考となるべき事項を記録しておかなければならない。
(立入りの原則)
第15条 調査員が火災調査現場及びその他の関係ある場所に立入る場合は、関係者等の立会いを得ることを原則とする。
2 調査員は、火災調査現場及びその他の関係ある場所に立入る場合で、当該関係者から請求があるときは、立入検査証を提示するものとする。
(質問)
第16条 調査員は、関係者等に対して調査上必要な事項を質問し、火災状況の把握に努めなければならない。
2 調査員は、前項の規定による質問を行う場合は、重複を避け効率的に行わなければならない。
(未成年者等に対する質問等)
第17条 未成年者(満20歳未満の者をいう。ただし、既婚の男性は18歳以上、女性は16歳以上の者を除く。)及び身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に定める身体障害者並びに精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第5条に定める精神障害者(以下「未成年者等」という。)が関係する火災で、質問を行う場合には、立会人をおいて行うものとする。ただし、立会人をおくことで、真実の供述を得られないと判断されるときは、この限りでない。
2 前項の質問を行う場合は、未成年者等の心情を考慮し、十分な理解を持って当たらなければならない。
3 未成年者等は現場見分の立会人としてはならない。ただし、年齢又は心情その他諸般の事情により支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(安全管理)
第18条 署長は、火災調査現場等の特性に応じた安全管理に努めるものとする。
2 前項の規定による安全管理の要領は、別に定めるところによる。
第2節 基本事項の処理
(火災件数の取扱い)
第19条 1件の火災とは、一つの出火点から拡大したもので、出火から鎮火するまでのものをいう。
2 塩釜地区消防事務組合消防本部管内において発生した火災は、すべて火災件数として取扱い、当該取扱いの基準は別に定めるところによる。
(火災損害の区分)
第20条 火災の損害は次の3種とし、その内容は次の各号に掲げるところによる。
(1) 焼き損害 火災によって焼けた物及び熱によって破損した物等の損害をいう。
(2) 消火損害 消火活動によって受けた水損、破損及び汚損等の損害をいう。
(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた前2号以外の損害をいう。
(1) 「建物火災」とは、建物又はその収容物が焼損した火災をいう。
(2) 「林野火災」とは、森林、原野、又は牧野が焼損した火災をいう。
(3) 「車両火災」とは、次に区分する自動車車両、鉄道車両及び被けん引車、又はそれらの積載物が焼損した火災をいう。
ア 「自動車車両」とは、イの鉄道車両以外の車両で、原動機によって運行することができる車両をいう。
イ 「鉄道車両」とは、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)に定める旅客、貨物の運送を行うための車両又はこれに類する車両をいう。
(4) 「船舶火災」とは、船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。
(5) 「航空機火災」とは、航空機又はその積載物が焼損した火災をいう。
(6) 「その他の火災」とは、前各号に掲げる火災以外の火災(空地、田畑、道路、河川敷、ごみ集積場、屋外物品集積場、軌道敷及び電柱類等の火災)をいう。
2 前項各号の火災が複合する場合の火災の種別は、焼き損害額の大なるものによる。ただし、その態様により焼き損害額の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。
3 前項の焼き損害額が同額又は算出されない場合は、火元の火災の種別による。
4 爆発損害のみの火災の種別は、第1項の規定に準ずるものとする。
(焼損の程度)
第22条 建物の焼損程度は1棟ごとに4種に区分し、その内容は次の各号に掲げるところによる。
(1) 全焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の70パーセント以上のもの又はこれ未満であっても、残存部分に補修を加えて再使用できないものをいう。
(2) 半焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント以上のもので、全焼に該当しないものをいう。
(3) 部分焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント未満のもので、ぼやに該当しないものをいう。
(4) ぼや 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり、かつ、焼損床面積若しくは焼損表面積が1平方メートル未満のもの又は収容物のみ焼損したものをいう。
2 車両、船舶及び航空機の焼損程度は、前項の規定に準ずるものとする。
(焼損床面積等の算定)
第24条 建物の焼損面積は、焼損床面積、焼損表面積に区分して算定するものとする。
2 水損、破損及び汚損の場合は、前項の規定に準ずるものとする。
(出火日時分の決定)
第25条 署長は、出火日時分について関係者の火災発見状況、覚知(入電・指令)時分及び消防対象物の構造、材質、状態並びに火気取扱い等の状況を総合的に検討し、合理的な日時分を決定するものとする。この場合において、事後聞知の方法で覚知された火災の取扱いについては、別に定めるところによる。
(平26庁訓2・一部改正)
(世帯のり災程度)
第26条 世帯のり災程度は、1世帯ごとに次の3種に区分し、その内容は次の各号に掲げるところによる。
(1) 全損 建物(収容物を含む。以下半損、小損において同じ。)の火災損害額が、り災前の建物の評価額の70パーセント以上のものをいう。
(2) 半損 建物の損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント以上で、全損に該当しないものをいう。
(3) 小損 建物の損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント未満のものをいう。
2 前項の世帯の算定については、別に定めるところによる。
(損害額の算定基準)
第27条 損害額は、り災時における時価によるほか、別に定めるところにより算定する。
(火災による死傷者)
第28条 火災による死者又は負傷者の範囲は、次の各号に掲げるところによる。
(1) 火災による「死者」又は「負傷者」とは、火災現場において火災に直接起因して、死亡した者(病死者を除く。)、又は負傷した者をいう。この場合において、消防吏員については火災を覚知した時より消防活動を終了して帰途に就くまでをいい、現場解散する消防団員については火災を覚知した時より消防団長又はこれに代わる者から解散命令が発せられた時までをいい、消防車両で引き揚げる消防団員については、帰途に就いたときまでの間に死亡した者又は負傷した者とする。
(2) 火災による負傷者が受傷後48時間以内に死亡した者は、火災による死者とする。
(3) 消防活動に関係のあるものが、消防作業又は救護等の活動を終了し帰途に就くまでに当該火災に起因し死亡又は受傷した場合は、火災による死者又は負傷者とする。
(4) 火災による死者又は負傷者は、次のとおり区分する。この場合において、負傷者のうちで火災に起因し48時間を経過して30日以内に死亡した者を「30日死者」とする。
ア 消防吏員
イ 消防団員
ウ 応急消火義務者
エ 消防協力者
オ その他の者(自損を含む。)
(出火原因分類等)
第29条 出火原因分類、用途別分類及び業態別分類等は、火災報告取扱要領の全部改正について(平成6年4月21日消防災第100号。以下「火災報告取扱要領」という。)に定めるところによる。
第4章 調査業務の執行
第1節 火災出動時の調査
(火災出動時の見分状況把握)
第30条 火災に出動した職員は、消防活動を通じて火災の状況の見分に努めなければならない。
2 火災に出動した職員は、出動途上及び現場において関係者等への質問及び現場の状況から発見、通報、初期消火、火気管理、避難、死傷者及び消防対象物のり災状況並びに消防用設備等の使用及び作動状況等(以下「現場情報等」という。)を把握し、事後の調査に活用できるよう配意しなければならない。
3 前項の現場情報等の把握は、迅速的確に行うものとする。
(現場の保存)
第31条 火災に出動した職員は、消防活動を行う場合は、事後の調査の支障とならないよう、別に定めるところにより現場の保存に努めなければならない。
第2節 鎮火後の調査
(現場調査の指揮)
第32条 署長は、調査の進行に万全を期すため調査の指揮をしなければならない。
2 主任調査員は、現場見分、写真撮影及び図面作成等の各担当者を指定し、組織的に調査の進行を図るものとする。
(現場立会人)
第33条 調査は、関係者を現場立会人として行わなければならない。ただし、特別な事情により関係者が不在でやむを得ない場合は、警察官又は関係者の近親者その他適当な者を立会人とすることができる。
2 現場立会人は、見分しようとする場所又は物件に直接関係する者を優先しなければならない。
3 調査員は、調査のため必要がある場合は、関係者の了解を得て、当該火災に関係する物件(以下「物件等」という。)の製造者等を立会人とすることができる。
4 第1項の規定により関係者を現場立会人とした場合は、安全管理及び言動等に配慮しなければならない。
(火災原因調査)
第34条 主任調査員及び調査担当員は、第4条第1号に定める火災原因調査を行うものとする。
2 前項の調査は、人的行動のほか、建築物、工作物及び建築設備並びに火気使用設備器具等の構造、機能及び材質等に着目し、製造、施工及び保守管理の状況を調べるものとする。
3 避難状況の調査は、特に出火時の状態と避難行動の関係に着目し、また、延焼状況の調査は、特に延焼の媒体となった構造及び材質等に着目して行うものとする。
(発掘)
第35条 出火原因の調査は、現場見分状況及び火災出動時の見分状況並びに関係者等の供述を総合的に判断して出火範囲を限定し、調査現場の発掘(以下「発掘」という。)を行うものとする。
2 発掘は、出火範囲として限定した区域を周囲から焼損状況を考慮しつつ、順次行うものとする。
3 発掘に際しては、立会人の供述に基づく物品配置等に留意し、かつ、物件等の現状確保に配意しなければならない。
4 発掘は、原状を復元する観点に立って行うものとする。
(出火原因等の検討)
第36条 主任調査員及び調査担当員は、前条の規定による発掘の結果、出火箇所が判定された段階において出火原因の検討を行うものとする。
2 前項の検討は、出火箇所付近の焼損状況及び延焼経路を参考として行わなければならない。
(火災損害調査)
第37条 主任調査員及び調査担当員は、第4条第2号に定める火災損害調査を行うとともに、必要に応じて、り災した消防対象物の関係者に対し、次に掲げるり災届出書の提出を求めるものとする。
(1) 不動産り災届出書(様式第21号)
(2) 動産り災届出書(様式第22号)
(3) 車両・船舶・航空機・林野・その他り災届出(様式第23号)
2 署長は、前項の規定による届出を受理したときは、詳細に審査し、その内容が現場における消防対象物のり災状況の調査の内容と著しく異なる場合は、届出者に対し、質問等によりその矛盾を明らかにし、訂正させなければならない。
3 関係者にり災証明を行うときは、り災証明取扱要綱(平成10年庁訓第8号。以下「り災証明取扱要綱」という。)に基づくものとする。
(平29庁訓8・一部改正)
(調査終了時の措置)
第38条 署長は、調査を終了したときには、別に定めるところにより、関係者に対して終了した旨を通知するものとする。
第3節 立証のための調査
(立証のための調査)
第39条 署長は、調査現場において焼損物件等の分解や見分が困難な場合は、日時を改めて、火災原因等の究明に関する詳細な見分及び実験を必要とする調査(以下「立証のための調査」という。)を行うものとする。
2 署長は、立証のための調査においては見分の場所及び日時等を明確にし、努めて主任調査員及び調査担当員に行わせることができる。
(資料等の提出)
第40条 署長は、立証のための調査が必要と思われる場合は、法第32条第1項又は第34条第1項の規定に基づき、関係者等に対し資料提出命令書(様式第14号)により資料等の提出をさせることができる。
2 署長は、前項の規定により資料等の提出をさせる場合で、火災の原因が製造物である疑いがあると認められる場合は、事前に消防本部予防課と協議するものとする。
4 署長は、立証のための調査が終了したときには、関係者の意向を確認し、努めて資料等を返還するものとする。
(官公署への通報の請求)
第42条 署長は、法第32条第2項の規定に基づき、官公署に対し調査に関する事項の通報を請求する場合は、火災調査関係事項通報請求書(様式第18号)により行うものとする。
(火災の判定)
第43条 署長は、調査の結果について総合的検討を行い、火災を判定しなければならない。
(出火原因の判定基準)
第44条 出火原因の判定基準は、次の各号に掲げるところによる。
(1) 判定 関係資料の証明力を総合することにより、具体的かつ化学的にその原因が決定されるもの。
(2) 推定 判定するに至らないが、関係資料を基盤として合理的にその原因が推測できるもの。
(3) 不明 関係資料の証拠能力が極めて低く、これに多少の推理を加えてもその原因を合理的に推測することが困難なもの。
第5章 調査結果の記録等
第1節 調査書類の作成
(調査書類の作成)
第45条 署長は、管轄区域内で発生した火災について、本章の規定により調査書類を作成しなければならない。
(火災速報)
第46条 署長は、火災鎮火後、火災速報(様式第19号)に必要な事項を記載し、案内図を添付して消防長、消防本部関係各課及び各署へ速報するものとする。
(調査に必要な書類)
第47条 火災調査に必要な書類(以下「調査書類」という。)は次の各号に掲げるところによる。
(2) 火災原因の判定等に係る調書
ア 火災原因判定書(様式第4号)
イ 防火管理等調査書(様式第8号)
ウ 危険物施設等調査書(様式第9号)
(3) 現場見分調書(様式第5号)
(4) 火災出動時における見分調書(様式第6号)
(5) 質問調書(様式第7号)
(6) 火災原因の立証のために必要な資料
ア 実験結果通知書
イ 鑑定書
ウ 調査員による実験結果報告書
エ 火災調査関係事項照会書に対する回答文書
オ 火災に関する照会依頼により収集した調査書類作成上必要な文書等
(7) 写真(様式第20号)
(8) 損害調査に係る調書
ア 建物・収容物損害調査書(様式第10号)
イ 建物以外の損害調査書(様式第11号)
ウ 死者調査書(様式第12号)
エ 負傷者調査書(様式第13号)
2 調査書類の作成要領等については、別に定めるところによる。
(調査書類の処理区分)
第48条 調査書類の処理区分は、別に定めるところによる。
2 消防長又は署長は、火災の種別、規模及び社会的影響を総合的に勘案し、前項の処理区分によらないものとすることができる。
(調査書類の作成基準)
第49条 署長は、前条の処理区分に基づき、別に定めるところにより調査書類を作成するものとする。
(調査書類等の報告)
第50条 署長は、前条の規定により作成した調査書類及びその他調査書類作成上必要な文書並びに火災情報を、火災覚知月の翌月末まで消防長に報告しなければならない。ただし、報告が困難と予想された場合は消防本部予防課と調整するものとする。
2 前項の規定による消防長への報告に必要な書類は、別に定めるところによる。
3 署長は、第1項の火災情報について、消防OAシステムにより報告するものとする。
(文字の加除訂正)
第51条 調査書類の文字の加除又は訂正は、次の各号に掲げるところによる。
(1) 文字を削除するときは、削るべき文字を横2線で抹梢し、その箇所に押印し、行の右欄外に「削除何字」と記入する。
(2) 文字の加入は、加入箇所を明確に示し、行の上側に加えるべき文字を記入して押印し、行の右欄外に「加入何字」と記入する。
(3) 文字を訂正するときは、誤字を横2線で抹消し、行の上側に正しい文字を記入しその箇所に押印し、行の右欄外に「訂正何字」と記入する。
(調査書類の整理保存)
第52条 消防長又は署長は、調査書類を消防本部予防課及び消防署において整理し、保存しなければならない。
2 調査書類の保存期間等については、塩釜地区消防事務組合文書取扱規程(昭和45年庁訓第5号)によるものとする。
(火災即報等)
第53条 消防長は、消防関係機関から発出された各種通知等に基づく即報又は情報提供等(以下「即報等」という。)を行う場合は、必要な書類を作成し、速やかに関係機関あてに即報しなければならない。
2 前項の即報等については、消防本部予防課を経由し行うものとする。
(火災四半期報告)
第54条 消防長は、四半期分の火災発生状況を取りまとめた火災報告書(火災報告取扱要領第1号様式)を作成し、指定された日までに統計調査系システムにより消防庁長官に報告しなければならない。
第2節 照会等の対応
(照会等の対応)
第55条 署長は、調査結果の内容等について問い合わせ、照会又は情報の開示請求等があった場合は、火災調査結果回答マニュアル(平成19年3月28日付け消防長事務連絡)に基づき対応するものとする。
第6章 非常災害時の火災調査
第1節 非常災害時の火災調査体制
(組織的な調査の執行)
第56条 消防長は、塩釜地区消防事務組合非常災害警防規程(平成7年庁訓第7号)第2条に定める災害(以下「非常災害」という。)に起因して発生した火災の調査に対し、組織的な執行体制の確立に努めるものとする。
(情報の収集)
第57条 署長は、非常災害の発生直後から災害状況の記録及び調査のための情報収集等に努めなければならない。
(非常災害に伴う火災の指定)
第58条 消防長は、調査を円滑に実施するため、非常災害時に発生した火災のうち、期間及び地域を限定した火災(以下「非常災害に伴う火災」という。)を指定するものとする。
(火災調査活動)
第59条 署長は、非常災害に伴う火災の調査について、り災証明発行のための損害状況調査を優先するとともに、出火原因及び延焼拡大状況等の記録に重点を置いた火災調査活動を実施するものとする。
2 前項の規定による非常災害時の火災調査活動要領については、別に定めるところによる。
(調査員の確保)
第60条 署長は、非常災害発生後の行政対応を考慮し、火災による被害の記録のために必要な要員を確保するとともに、調査員に対して現場の見分及び写真撮影等の記録を行わせるよう努めなければならない。
(調査員派遣要請)
第61条 署長は、非常災害による管内の被害が甚大で、かつ、り災証明発行のための損害調査以降の調査活動に支障が生ずると予想されるときは、消防長に対し調査員の派遣を要請することができる。
(必要な資機材の確保)
第62条 署長は、非常災害時の火災調査活動に必要な資機材の確保に配意するものとする。
第2節 調査結果の報告及び活用
(非常災害に伴う火災発生状況の速報)
第63条 署長は、非常災害に伴う火災の発生状況について、第46条の規定に準じて速報するものとする。
(非常災害に伴う火災調査書類の作成)
第64条 署長は、非常災害に伴う火災について、第49条の規定に準じて調査書類を作成しなければならない。
2 前項の規定による非常災害に伴う火災調査書類の作成基準については、別に定めるところによる。
(調査記録等の集計及び活用)
第66条 予防課長は、情報の収集及び調査記録等の集計等にあたり、必要により他の所属長に協力を要請することができる。
(り災証明事務の対応要領)
第67条 署長は、非常災害時における火災調査の結果に基づき、管轄区域の市町長と連携して、り災証明取扱要綱の定めるところにより、迅速なり災証明事務の対応に努めるものとする。
(非常災害による調査結果の活用)
第68条 消防長は、非常災害による調査結果を分析及び検討して、火災の実態を明らかにするとともに、消防行政に活用できる資料の整備に努めなければならない。
第7章 委任
(委任)
第69条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は消防長が別に定める。
附 則
この庁訓は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成26年庁訓第2号)
この庁訓は、平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成26年庁訓第16号)
この庁訓は、平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成29年庁訓第8号)
(施行期日)
この庁訓は、平成29年4月1日から施行する。
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓2・一部改正)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓2・一部改正)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓16・全改)
(平26庁訓2・一部改正)
(平29庁訓8・追加)
(平29庁訓8・追加)
(平29庁訓8・追加)